【コラム】真空管アンプ2台を同時に鳴らす事で得られるサウンド

先日のVOXイベントで「ご自宅で2台のMV50を使って音作りを行うと楽しいよ」というお話をさせていただきましたが、ご参加いただいた方からも実際に2台のアンプを同時に鳴らした音作りのコツは?というようなお問い合わせをいただきましたのでご紹介します。

今回はまず、VOX MV50の「ブティック」と「ロック」を用意します。

VOX MV50 ROCK

ブティックはその名の通り、ブティックアンプの特徴を持ったアンプです。ブティックアンプにも色々ございますが… このアンプは特定の時期のフェンダーMODダンブル的なトーン回路に似せていると言えます。ロックはプレキシマーシャルの特性に近いと思います。特にバスケットウィーブの412キャビで鳴らせばご納得いただけると思います。

セッティングは下記の図の通り

ポイントはドライブライン(ロック)には小型のキャビBC108を使用し、クリーンライン(ブティック)には12インチのキャビV112NTを使用している点。そして、エフェクトはクリーンラインに配置している点です。

今回も動画でデモンストレーションしましょう。ギターからの信号はロジャーメイヤーのVOODOO-1で分岐させます。アクティヴ・スプリットする事で、ゲインのロス無しでアンプをフルドライブさせる事ができます。また、VOODOO-1がONになった際にゲインが下がるようにセットしておくとシングルチャンネルのアンプのゲイン調整が容易です(動画中盤)また、マイクはダイナミックタイプを1本、アンプ2台のセンター位置に配置しています。プラグインエフェクトはEQとコンプのみ。実際に鳴っている音色にかなり近い仕上がりです。

エフェクター類はクリーンセッティングのMV50 Boutique側だけに配置する事で、例えばダブリングやスラップバックエコー的セッティングで、より広がりのあるエフェクト効果が得られます。また、通常のステレオセッティングに比べると位相の変化が生みだす「定位のズレ」が感じられます。これこそが、クラシックなロックアルバムで聴けるようなギターサウンドではないでしょうか。この音色/位相感は2台のアンプのボリュームバランス、EQのセッティングで作り出せます。セオリーとして、メインのアンプサウンドを固定し、もう一台のアンプで微調整していくと良い結果が得られると思います。

最近ではマルチエフェクター/アンプシミュレーターで2台のアンプを使った自由なシグナルルーティングが可能になり、こういったセッティングも1台の機材で完結できます。しかしながら、空気を伝わったサウンドとそうでないサウンドでは、雰囲気に大きく差が生じます。ユニバーサルオーディオのOX AMP TOPなどかなり高品質なアイテムもありますが、やはりリアルアンプに軍配があがる場面も少なくありません。

というわけで、小音量でも真空管サウンドが得られるMV50。まだ手にしていないと言う皆さんは是非、その素晴らしさ/面白さを体験してみてください。

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