【過去ブログ】パワーサプライのあれこれ

【過去ブログ】パワーサプライのあれこれ

渋谷店ニシキドです。

フーチーズ店頭には「パワーサプライお試しコーナー」があります。このご時世、そして遠方のお客様はなかなか直接足を運んで試すのが難しいと思うので今回はそれぞれの魅力を文章(いつか動画も撮れたら)でお伝えできれば!ということで今回のブログに至ります。

ではパワーサプライを選ぶにあたって何を比べればいいの?といったところから入っていきましょう。

①サウンドの違い
②機能性や拡張性
③デザイン性やサイズ感
④電源供給可能なペダル台数や供給電圧/電流など規格の部分

こんなところだと思います。サウンドはそのサプライ自体の電源方式や使用パーツなどによって様々。機能と拡張性、デザイン性とサイズ感はスペックを見てもらえればわかりますね!で④の規格に関する部分。重要ですよね。どうやって確かめればいいんでしょうか?

CAJのページにとてもわかりやす指標がありましたのでここに貼っておきます。

エフェクトボードシステムに必要な消費電流は?

主なエフェクターの消費電流
●アナログ・オーバードライブ/ディストーション
 4mA~20mA
●デジタル・コーラス/フランジャー
 20mA~25mA
●デジタル・ディレイ/リバーブ
 50mA~60mA
●MIDI対応 デジタルEQ
 75mA
●MIDI対応 メモリー可能等の多機能デジタルエフェクター
 75mA~200mA ( 参考値 )

例えば、アナログ・オーバードライブ、ディストーション、デジタル・コーラス、デジタル・ディレイ、デジタル・リバーブ、デジタルEQを組み込んだエフェクトボードに電源を供給した場合の合計消費電流は約300mA程度です。

ぜひこちらを参考にしてみてください。また、たまに質問を受けるのがエフェクターの定格は9V 100mAなんだけど9V 500mA出力のサプライを使っていても大丈夫なの??という話です。

結論から言うと問題ありません。ペダルに表示されている〇〇mAというのはペダル側が引き出す電流の量なので9V/100mAのペダルに9V/最大電流500mAの電源を接続したところで実際にペダルに流れ込む電流は100mA。過電流で故障なんてことにはなりません。なのでペダル側の表示電流より大きい値のアダプタ/サプライであれば正常に起動してくれます。むしろある程度 余裕があった方が動作は安定します。※電圧は必ず守ってくださいね!!

そんなこんなで少し前置きが長くなってしまいましたが、おすすめのサプライを紹介していきたいと思います。

strymon Ojai & Ojai R30

プロ御用達の超低ノイズ設計しかも驚くほど小型。2段階の分離回路を採用しており、AC電源のノイズやグラウンド・ループによるノイズからの影響を排除。電源からオーディオ信号に侵入するノイズを発生させないためエフェクターの最大限のダイナミックレンジを引き出してくれます。また全ての出力はアイソレート(独立)されているのでアナログ/デジタルエフェクターを混在させることで起こりうるノイズの心配もありません。そしてOjai R30では 9V-12V-18Vと3段階の供給電圧を選択できるようになっており、より多彩なペダルに対応が可能になっております。何かしらのサプライをお使いでこのノイズ/この音の遠さ 電源からじゃないの?と思っている方 是非一度Ojaiを試してみてください。元々使っているサプライにもよりますが、僕の場合は驚くほどクリアに澄んでサウンドも力強くなりました。

strymon Ojai
販売価格:¥24,500(消費税込み)
供給電源:9V(500mA) × 5
寸法/重量:81mm(幅)×58mm(縦)×33mm(高)/ 133g
その他:拡張用キットをリンクさせることで供給数を拡張可能。

strymon Ojai R30
販売価格:¥28,500(消費税込み)
供給電源:9V(500mA) × 3 , 9V-12V-18V(500mA)×2
寸法/重量:130mm(幅)×58mm(縦)×29mm(高)/ 171g
その他:拡張用キットをリンクさせることで供給数を拡張可能。

strymon Zuma

Ojaiとの違いはトランスをアダプターでなく本体に内蔵した点です。これによりさらなるノイズ耐性が出来ました。また電源ケーブルのみを直接接続するだけというのは使い勝手やボードをシンプルにするというミニマリズム的な観点でも◎です。パワーサプライにもこだわってみようかな…とお考えの方はひとまずstrymon製品をゲットしておけばノイズ耐性、サウンド、後の拡張性なども考えても間違いないと思います。お手持ちのエフェクターの本来のポテンシャルを充分に引き出してくれます。このペダル本来はこんなサウンドだったのか…など そこにはきっと新しい発見があるはずです。

strymon Zuma R300
販売価格:¥30,000(消費税込み)
供給電源:9V(500mA) × 4 , 9V-12V-18V(500mA)×1
寸法/重量:184mm(幅)×88mm(縦)×30mm(高)/ 400g
その他:トランス内蔵型。アダプタではなくAC(電源)ケーブルの直挿が可能。30mm高の薄型設計によりペダルボードの下に装着可能。拡張用キットをリンクさせることで供給数を拡張可能。

Albedo Ultimate Power Supply PS-96

こちらの製品の一番の特徴は電源方式。多くのパワーサプライはスイッチング方式を採用しておりますが、こちらではリニア方式のひとつであるシャントレギュレータ回路を採用。このリニア方式は安定したクリーン電源を得られるためハイエンド・オーディオの世界では未だに主流となっています。オーディオ機器のノウハウを落とし込んでいる点はさすがAlbedo(モノコルド)といったところ。音質的にはやはりシールドやDCケーブルHodosのキャラクターと似ており、非常にクリア、ナチュラルでエネルギッシュな傾向にあります。今回紹介する中で最も電池に近い特性を持つのがこのサプライなのではないかと思います。筐体が大きいのでボードに組むというよりかは自宅、卓上やレコーディングでのここぞという一手という形で使ってみるのがいいかもしれません。古典的、原始的な歪みやアナログペダルと相性がいいかと思います。

Albedo Ultimate Power Supply PS-96
販売価格:¥41,800(消費税込み)
供給電源:9.4±0.1V(100mA) × 6 ※1箇所で300mAを使うなども対応 / 最大電流量 合計で600mA
寸法/重量:184mm(幅)×88mm(縦)×30mm(高)/ 400g
その他:トランス内蔵型。アダプタではなくAC(電源)ケーブルの直挿が可能。30mm高の薄型設計によりペダルボードの下に装着可能。拡張用キットをリンクさせることで供給数を拡張可能。

ART ISO-8U

アイソレートされた8口のDC出力端子搭載。4〜9Vをシームレスに可変できる機能で残量が少なくなった電池のような挙動を再現できる機能も搭載しております。またUSBでの電源供給も可能で譜面を表示するためのタブレットなどをステージで使う方などにおすすめです。これ1台でコンパクトに電源供給が可能です。こちらのサプライはこの価格帯とは思えないサウンドでした。無骨なルックスですがサウンド的にはAlbedoのサプライの次にナチュラル感があります。Albedoのサプライより少しだけタイトになった感じでしょうか。

ART ISO-8U
販売価格:¥9,163(消費税込み)
供給電源:4〜9V(100mA) × 1 , 9-12V(100mA) × 5 , 9-12V(250mA) × 2 , USB Type-A端子最大10W(2A) × 1
寸法/重量:177mm(幅) × 84 mm(縦)× 34mm(高) / 590g
その他:USBでの電源供給可能

Crews SWITCHBACK STATION

SWITCHBACK STATIONはエフェクターにクリーンな電源供給を行うパワーサプライに、バッファーやジャンクション/ループボックス的な機能をコンパクトに収めた、非常に優秀なペダルボードデバイスとなっていますパワーサプライ部分には、Crewsの小型パワーサプライDC-TRAIN DCT-0909をビルトイン。内部にレギュレーターを2つ使用し、実質3個口3個口に分かれた2系統となっています。例えば、右半分の3個口を歪み系などのアナログエフェクターに、左半分の3個を空間系等のデジタルエフェクターに分けて使用することで、アナログ・デジタル同時使用時に起こりやすい混入ノイズの発生を抑えることができます。左上部の15V DC出力にさらにDC Trainを接続すれば、電源供給数を拡張することも可能です。そして最大の特徴でもあるバッファー機能ですが、これがサウンドメイクに役立ちます。

バッファーはSEND/RETURN内にループを作る事で機能します。音の最終出口をACTIVE OUTにすることで、後段につなぐエフェクター/アンプやオーディオインターフェース等に送る信号のインピーダンスを、IMP.CONTROLつまみで調整可能です。(バッファーを通過しないPASSIVE OUTも装備しています)TUNER OUT装備も嬉しいですね。アクティブ仕様でTUNERからのノイズも混入も防ぐため、スマートにペダルボードを構築できます。TUNER OUTとRETURNの間にエフェクター等を接続し、アクティブループとして使うのも1つの手です。様々な機能を有するSBSを使えば細部までサウンドにこだわりつつ、ボードの入出力系統をすっきりとまとめることが可能です。

Crews SWITCHBACK STATION
販売価格:¥22,000(消費税込み)
供給電源:9V(300mA) × 6 、 15V(MAX 1000mA) × 1
寸法/重量:/ 150mm(幅)×72mm(縦)×52mm(高)/ 400g
その他:バッファ/アクティブアウト、チューナーアウト、SEND&RETURNなどの機能、Crews DC-TRAINシリーズへの拡張が可能。

CUSTOM AUDIO JAPAN AC→DC STATION VI

供給電圧を常時モニターするデジタルボルテージメーターを搭載。更に出力電圧を9V電池新品初動時値に近い9.65V付近とすることで、エフェクターのポテンシャルを最大限に引き出します。こちらもリニア方式のパワーサプライとなっており、パルスノイズの無い安定したクリーン電源を得られる設計になっております。リニア方式だからか後述のDC→DC Stationに比べるとナチュアルな感じです。押し出し感がありつつクリアな印象。

CUSTOM AUDIO JAPAN AC→DC STATION VI
販売価格:¥8,360(消費税込み)
供給電源: 9.65V × 8 / 最大電流量 450mA
寸法/重量:167mm(幅) x 33mm(縦) x 23.3mm(高さ) / 235g
その他:デジタルボルテージメーター採用

CUSTOM AUDIO JAPAN DC→DC STATION

ユニバーサル電圧(100-240v)に対応したスイッチング方式電源アダプターを使用した、高出力フルアイソレートパワーサプライです。供給電圧をモニターするデジタルボルテージメーター、高出力の500mAポート、最大電流容量2Aに加えもう一台のDC・DC Stationを接続してポートを拡張する “LINK” 機能の搭載と、AC/DC Stationから大幅にパワーアップ。様々なシステムに合わせてその能力を十分に発揮します。こちらは高能率で発熱も少なく軽量であるスイッチング方式を採用。

DC・DC Stationはハイゲインアンプに接続されるギター用エフェクターへの電源供給を前提にデザインされたフィルター回路により、スイッチング電源特有のパルスノイズを限界まで低減させた他、全ての出力ポートをアイソレートすることにより、ノイズの発生原因となるデジタルエフェクターとアナログエフェクターへの同時電源供給とコンバートケーブルを使用したセンター・プラスエフェクターへの同時電源供給を可能にております。サウンドの傾向もご想像の通りとてもタフでモダンなキャラクターになります。

CUSTOM AUDIO JAPAN DC→DC STATION
販売価格:¥13,200(消費税込み)
供給電源: 9V(100mA) × 6 , 9V(500mA)× 2
寸法/重量:197mm(幅) x 34.2mm(縦) x 27mm(高さ) / 210g
その他:デジタルボルテージメーター採用

CUSTOM AUDIO JAPAN HUB-5 ver.Ⅱ

パワーサプライや電源アダプターのDC出力を5系統に分岐する6 x DCジャックのパラレル・ジャンクション・ボックスとデジタル電圧計をカップリング。外部アダプタやサプライから引いた電源を5系統に分配可能です。エフェクトペダルに電源を分配するだけでなく、電圧状態のモニタリングを可能にしたユーティリティデバイスです。電圧低下をモニターすることでパワーサプライのDC電圧を分岐した場合に発生しやすい過電流によるトラブルを未然に防ぐことができます。これは1つ持っておくと便利ですね。ちょっとした時にすぐ拡張できます&非常にコンパクトで省スペースに収まります&電圧チェッカーにもなりますね。

CUSTOM AUDIO JAPAN HUB-5 ver.Ⅱ
販売価格:¥4,950(消費税込み)
供給電源:ー / 最大電流量 ー
寸法/重量:101.5(幅)x 34.2(奥行)x 27(高さ)mm / 88 g
その他:デジタルボルテージメーター採用

以上。長くなりましたがパワーサプライ特集でした。もちろん店頭のさまざまなパワーサプライをあれやこれやと試しながら書いたのですが、本当に結構音違います。そしてこのブログを書きつつ気付いたことがひとつ。

実はパワーサプライって一度買うと 少しづつ入れ替わっていく他のペダル類のどれよりも一番ボードの中に固定で居座り続ける可能性が高い存在なのでは…と。

ボードの中での当たり前の存在になってしまうことで
なんか音が抜けない、なんかノイズが多い…など”なんか”の原因が実は今使っているパワーサプライかもしれないと 疑うことを忘れてしまっているケースもあるかと思います。そしてそれに気づいたり、ペダルの数も増えてきたし、最近調子悪いし などなどアップデートしよう!と思った際には…長い付き合いになるのだからしっかり選んで間違いのない良いものを買っておこう。と考えるのが正解なのではないかと思いました。

是非今一度お気に入りのペダルに供給する電源の質。気にかけてみてください!

こんなところで今回のブログは終わりたいと思います。最後までありがとうございました。

渋谷店 ニシキド

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