【ブログ】なんでもできる!でもちょっと待って?

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渋谷店ではクルーズマニアックサウンドのカスタムオーダーフェアがスタートしています。と言う訳で今回はオーダー時に参考にしていただきたいアッセンブリ周りのお話です。

特にHSH/SSHモデルのお話ですが、コイルタップやスーパースイッチ(5接点/4回路スイッチ)を使用した特殊配線や各ピックアップのON/OFFスイッチなど、既存の楽器にはあまり採用されないワイヤリングパターンを盛り込みたい!というご希望が多いと思います。特にスーパースイッチ(上記画像)などは配線のやり方次第で通常の5WAYスイッチなどでは得られない、電気的にかなり自由な配線パターンを作り出せます。

しかし、実際にはスイッチの端子間でピックアップからの微弱な電気信号を、ケーブルを飛ばしてあちら/こちら引き回すことになります。これは単純に音のスピード感や柔らかな印象=倍音をロスする可能性もある、という事をご理解ください。

一般的に、例えば同じボビンを用いたノーマル・ハムバッカーとコイルタップ可能な4コンダクタ・ハムバッカーを比べただけでも、その音には違いがあります。また、ヴィンテージレプリカの様なピックアップを使い、信号を複雑化させると、そのロスは如実です。とは言え、特殊配線のメリットも捨てがたい。という事で、もし複雑なアッセンブリやワイヤリングパターンを行う場合は、あらかじめパワーのあるピックアップをチョイスしておく事も大事だと思います。4コンダクタ対応なのはもちろん、それなりに出力があるピックアップの方がスプリット時などにもしっかりとした音になります。

そして、メインで使う音をしっかり意識すると言う事も大事だと思います。
例えばメインがハムバッカーで稀にコイルタップ/スプリットサウンドが欲しいのか?それともメインはシングルコイルサウンドで、稀にハムバッカーサウンドが欲しいのか?という事です。それに応じてポットの抵抗値やコンデンサの抵抗値もアレンジが必要ですし、配線の取り回しなども変わってきます。例えばトムモレロの様なKILL SWを搭載したい!というご相談を受けたこともありますが、やはりノーマルピックアップだとスイッチによる信号ロス(劣化)が如実に感じられました。お客様とご相談し、EMGピックアップに載せ替えたところ、しっかりと存在感あるサウンドになりました。つまり、そう言う事だと思います。

「せっかくのオーダーだから、色々と盛り込んじゃおう」と色々盛り込んでしまうのはお勧めできません。やはり目的の音をきちんと想定する事が大切だと思います。

もちろん、特殊配線を行うのであればそれに合わせて制作側はアッセンブリ方法やパーツ選定などでアレンジを行います。そうやって満足いただけるオーダーギターを製作しています。マルチスイッチを否定している訳ではございません。

クルーズの場合、例えばトグルスイッチにもこだわりがあります。そのスイッチは接点でのロスを減らし、力強くクッキリとしたサウンドが持ち味です。Aristoteles V2 MPやVEGAS V2.などでも採用しています。

しかし、音で言えばもちろん、ヴィンテージ系にはSWITCH CRAFTが最高!というご意見もあるでしょう。そういった意味で、適材適所を選ぶことも重要です。また、スピード感のある配線材を使うのか?クロスワイヤー系を使うのか?その辺りでもサウンドは変化します。

もちろん、お持ち込みパーツを組み込む事も可能ですが、その場合はトーン/音色に関してお客様の方でしっかりとビジョンを持ってパーツをお選びください。

ヴィンテージライン系/モダン系問わずにオーダーの際はご希望をお聞かせください。

ピックアップに関してはクルーズオリジナルピックアップやK&Tはもちろん、DUNCAN/DiMarzioやSuhrピックアップなどもチョイス可能です。

皆様からのお問い合わせお待ちしております。

MWrata

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