システム【木島靖夫さん・その2】

おっと…2017年!
年を渡ってしまいましたが、お客様のシステム紹介、木島靖夫さん其の二です。
前回のポストを見逃した皆さんはこちらで

前回はペダルボードタイプをご紹介しましたが、こちらはラックシステムです。昨年12月に行われた 三代目J Soul Brothersの東京ドーム公演での機材です(写真は木島さんに撮影して頂きました)

ライブ自体も非常に…もの凄い…盛り上がりでした。本当に素晴らしい。エンターテインメントの本質をまじまじと感じるプロフェショナルなものでした。もちろん演者の皆さん、そして音響(とにかく、PAからの音が良い。ここはホントに東京ドームか?と言う位です)をはじめ、ステージ全体/全編の構成も日本トップクラスである事は間違いないでしょう。お客様の層もご両親と一緒の小学生からミドルエイジの紳士淑女まで本当に幅広いファンが集結していました。あたり前か…

メインラック:

上段ラック
1) EGNATER M4 PREAMP
メインラック上から
1) RACK RIDER POWER DISTRIBUTER
2) SWITCH BLADE 8
3) ROCKTRON MULTIVALVE
4) t.c electronics G-FORCE
5) two-notes TORPEDO PRO
6) soldano X-99 PREAMP

まず目に飛び込むのが2台のプリアンプ。ひとつはsoldanoの名作、X-99 CASWELLプリアンプ。このプリアンプはオールチューブで構成された3チャンネル構成の同社X-88プリアンプをベースに、モーター制御/MIDIによるプリセットの切り替えを可能にした画期的なプリアンプです。
ちなみに、X-88は後に発売されるCAA/3+と同じく、基本的なアイディアはボブ・ブラッドショウが発案。このアイディアをマイクソルダーのが形にしたのが【X-88】 ジョンサー(現Suhr Guitar)が形にしたのが【CAA 3+】です。
肝心のX-99はというと、モータライズド&MIDIコントロールでフルチューブのアナログ・プリアンプなのにMIDI制御による音色のプリセットを可能にした、当時としても超画期的なプリアンプでした。勿論値段も超高級でしたが、音色を切り替える度に3バンドEQとゲイン、ボリュームと言う5個のモーターで制御されたコントロールが瞬時に動くと言うメカニカルなアクション、そして実際に素晴らしい音色は他のプリアンプでは得られないリッチなサウンドです。ラックスタイルのプリアンプのトップモデルとして多くのミュージシャンが今でもシステムに組み込んでいますね。ちなみに、X-99 CASWELLのCASWELLというのはこのモーター制御のコントロールを担当(提携?)したCASWELL AMPのオーナーTim Caswell氏の名前です。彼自身のアンプも素晴らしい音色です。こちらでチェックできます

もう一台はEgnater(Bruce Egnater)のModule Preamp M4です。当時4チャンネルのプリアンプの定番であったEgnater ie-4をベースに、カートリッジ式となった4つのプリアンプ・スロットを入れ替えてサウンドをセレクトでき、スタジオセッションに必須のサウンド(例えばスロット1にブラックフェイス、スロット2にAC-30、スロット3にSuper Lead、スロット4にはレクティファイヤー等)を入れ替えて使う事ができる画期的プリアンプでした。使い勝手、音色は最高でしたがカスタムメイドで製作され、それほど多くの数は市場に出回っていません。後にランドールアンプ社がOEMにて生産したモデルも同じ手法でしたが、サウンド的には異なるものでした。

これらのアイテムを木島さんは長年かけて集めて徐々にシステムを構築し、まさに「メイン」となるサウンドを手に入れています(そう言えば… 最初の木島さんのラックにはプリアンプにBognerのFishがマウントされていましたね!こちらも名作です)

このサウンドの芯となるプリアンプに加えて、シンプルでありながらより選りのエフェクト群をマウント。まずは90年代後半から2000年代のスタジオサウンドをつくったとも言えるt.c electronicsのG-FORCEです。リヴァーブ、ディレイをはじめ、そのルーティングの自由度から多くのミュージシャンに未だに愛用されるマルチエフェクトです。極端に言えば、これにプリアンプ機能が付いたものが今をときめくFractal Audio社のAXE FXであると言っても過言ではないでしょう。もう一台のエフェクトとして、RocktronのMultiValveをセット。こちらは隠れた名器で、真空管を搭載する事でデジタルエフェクトにアナログテイストをプラス。木島さんの場合は所謂「コンパクトエフェクト」的なサウンド(フェイザーとかトレモロ)をこのMulti Valveで作り、ステレオ感のあるクリアーな音色をG-FORCEでつくり出しています。この辺りも木島さんのこだわりポイントだと言えるでしょう。

そして、これらのシステムをコントロールするのがSound scalpture Switchbladeです。
殆ど方はこのユニットをご存じないかもしれません。インプットが8個、アウトプットが8個で構成されるこのユニットは、各接続(インとアウト)を自由に接続する事ができます。例えば、イン1からアウト4に信号を送る。イン4からアウト2に送る…と言った具合に、ルーティングの順番を入れ替えると言うよりも、イン/アウトのパッチングを自由に指定できます。このユニットはロバートフリップをはじめ、こだわりのサウンドメイクに定評のあるミュージシャンやスタジオが多く導入。当店でも木島さんのラックのようなスタイルは勿論、ヴィンテージ・コンパクトエフェクトのシステムにも組み込んだ事があります。

このラックシステムは元々、実際にVHTの2502パワーアンプとクルーズマニアックサウンドの112キャビネット2台にステレオ接続されて鳴らされていました。

あるメンテナンスの時に「もうこんなデカいシステム、古いっすよね…」と木島さんに相談され「いや、アナタはこのシステムを鳴らすべきだ!」とゴリ押したのは私です。何故って…良い音がするんですよね。しかも全く、古くさくない

こういうシステムで古くさい音が出る、というのはプレーヤーの音作りが古くさいと言う場合だけでしょう

本当に今、プラグインでこの音が出せたら最高!ですね。しかし、残念ながら、この音色はデジタルでは再現できないでしょう。何故?と思う皆さんは是非フーチーズへ。その訳がわかります。
しかしこのプリアンプを中心とした音色は本当に素晴らしい。しかしながら、こういったシステムを使うとなれば、当然重いパワーアンプを持ち運ぶ苦労&真空管パワーアンプのメンテナンスというデメリットも生じます。維持費もバカにならない…しかもステレオアウトのギターサウンドを上手くコントロールできるPAが毎回会場にいるとは限らない… etc…

と言う事で提案したのが脱パワーアンプでした


two-notes torpedo Studio 商品ページ

この様なシステムを持ち込む現場は、大会場(もしくはビックアーティスト)が殆ど。そう言った現場では、モニターがインナーイヤータイプ(イヤモニ)が程んどです。そうなると、アンプの出音(生音)はもしかしてステージ上で鳴っていなくても良いのでは?と言う事でtwo-notesのTorpedo Studioを提案し、サウンドチェック。しばらくチェックした木島さんは「この音、イケそうですねっ!?」ということで脱パワーアンプ。
パワーアンプとスピーカーを外し、かわりにPA卓にダイレクト/ラインサウンドで使用するシステムとして蘇ったと言う訳です。この音の説得力は凄まじく、流石の存在感。多くの現場で良い感触を得た、と木島さんがおっしゃる様に、もっともっと多くの方にこのスピーカーシミュレーターの素晴らしさと可能性をチェックしてもらいたく思います。「そう言えば最近、ラックに火を入れてないなぁ」というアナタ!今そのシステムは古いかもしれませんが、そのシステムの音は今のデジタルでは易々と手に入りません。是非もう一度、現代的な環境で鳴らす為にもtorpedoをご検討下さい。また、レコーディングでヴィンテージアンプを使うなら、こういったスピーカーエミュレーター/シミュレーターユニットを上手く使うべきです。ベースでも勿論、最高の結果が得られるはずです。

ライブ派、シンプルにRECで使いたい派にはtorpedo Liveもオススメです。勿論、PCに繋いで、専用エディタでコントロール可能です。
torpedo Live 商品ページ

最後に、ラックの上に置かれたハーフサイズのユニット。当店のお客様であればご存知のRoger Mayer RM456 Dualです。

RM 456 Dual 商品ページ
Torpedoを使いだした木島さんに「さらに音を磨くもの」としてご紹介。「ホントに良いんですか〜?」と疑う木島氏(大体いつも、疑われます)そうですか、じゃあ現場で試してきて下さい、とユニットを渡したら、ちゃんと現場(確か3代目J.S.Bの現場)でお試し頂き「これはズルい〜」と導入頂きました。多分「木島さんは欲しいだろうな」という自信があったからです。何故自信があったのかと言うと、すでに某スピッツさんの現場でその効果を体験済みだったからですね(笑) このユニットがあるかないか、違いはちょっとの差なんです。でも、その音を知っている人はその差に我慢できないんですね。

足元にはMIDIコントローラーとしてDMCのGround Control Pro、ボリュームペダルとしてBOSSのFV-500Lを配置。CAJのV-COMP、ワウにはFulltoneのクライドデラックス(初期タイプで現行品よりもCRYDEしてます)そしてROGER MAYER OCTAVIAが!まさか3代目J.S.Bのライブでオクタヴィア・サウンドが炸裂しているとは誰も思わないでしょう(ニヤリ)勿論踏みっぱなしではないそうですが(あたり前か…)こういったスパイスのセレクトにもセンスを感じますねー。流石です。

と言う訳で長くなってしまいましたが木島靖夫さんのシステムをご紹介いたしました。多くのセッションで活躍するギタリストがどういった機材を愛用しているか?こうやって細かく見てみると、結構面白いですね。次回はいつになるかわかりませんが…お楽しみに。

MW

Artist Profile

Guitarist 木島靖夫 1978年5月26日生

2003年、w-inds.のツアー参加をきっかけにギタリストとして活動開始。
2006年~2007年はダンデライオンのメンバーとして活動。
以来、様々なアーティストのライブサポート、レコーディングに参加する。

ライブサポート・レコーディング参加アーティスト(五十音順)
家入レオ、石川綾子、今井絵理子(SPEED)、入野自由、w-inds.、上戸彩、浦田直也(AAA)、AKB48、lol、大塚ちひろ、KAT-TUN、加藤ミリヤ、清木場俊介、GReeeeN、小池徹平、三代目 J Soul Brothers、冴咲賢一、清水翔太、下川みくに、真藤敬利、JAY’ED、JUJU、 Juliet、鈴村健一、玉木宏、つるの剛士、D-51、DEEP、ナオト・インティライミ、中川翔子、西野カナ、パク・ヨンハ、平野綾、ファンキー加藤、Fis block、MAX、ミトカツユキ、Michi。、みつき、MEG、森翼、吉田山田、RAIZIN(CM音楽制作)、Lisa Halim、YT、WaT、等!

オフィシャルサイト 木島靖夫 たーぎーblog


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