2016/11/26/Co/SS/gZ [拷問音響機構]

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知る人ぞ知る、という存在なのかもしれない。またあるいは、日本のアンダーグラウンドバンドの一つ、という見方もあるかもしれない。でもそれだけじゃない、特異なバンド。それがCOPASS GRINDERZ(コーパスグラインダーズ)であり、バンド首謀者であるZERO氏と名越由貴夫氏だ。特に名越由貴夫といえば今では売れっ子ギタリスト(Chara-YEN TOWN BAND/椎名林檎/SUPERFLY/フジファブリック… etc)であるが、名越氏が「自分のバンド」とするのは、このコーパスグラインダーズだけ、と言う事を忘れてはならない。両氏のバンドとしてスタートしたこのバンドは、ある期間において活動を停止するが、近年復活。各メンバーが様々な理由で多忙である事から年に数回しかライブができない等の状況ではあるが、それ故にライブやイベントを待ち望んでいるコアなファンは少なくない。コーパスグラインダーズのキーワードは「轟音・爆音」そして「ベースレス」「ファズ」だ。

かれこれ、20年くらい付き合いのあるZERO氏(最も、実際に氏とまともな会話をする様になったのはここ数年だが)とは普段から機材の件でコンタクトしたりしていた(私は密かにZERO氏所有の名越氏モディファイOP AMP BIG MUFFを入手したいと狙っている)が、約2年前に「マーシャル3段積みを10×2(ZERO/名越)で20台並べてライブがやりたい」と言われた時も「はっはっは。相変わらずぶっ飛んでますね!」「手伝ってね」「勿論」と軽く返事をしたものだった。流石に20台を「ハリボテ」では無く実際に鳴らすには色々ムリがあるし、実際にやったとしても、5ー6台をステージに所狭しと並べるんだろうなぁ。あの人達の音量だから、ハウるんだろうなー。ピーピー凄そうだなぁー等と他人事の様に高を括っていた。しかし、ZERO氏を、コーパスグラインダーズを、ナメてはいけない。日を追うごとに話は現実に向けてフォーカスしていく。

「会場はおさえた」
「アンプの手配はできそうだ」

えっ!マジで20台鳴らすんですか?の問いに「そうだよ!」と力強く返されて、いよいよ焦りが生じた。

「でさ、どうやって鳴らせば良いかな?」と言われても、アンプを10台数珠つなぎ?まさかヘンドリクスじゃあるまいし…できなくはないけど、グランドの問題、ハイ落ちの問題等、いいことは無さそう。ZERO氏から「みんなは普段、どうしてるのかなー?」と聞かれても「みんな、普段そんな事してませんよ…」としか言えない私。

ZERO(以下Z):理想の鳴らし方は?
私(以下M):バッファードで10パラレルの出力装置ですね。
Z:そういうの、ないの?
M:ないですね…
Z:じゃ、作ってよ!
M:え…わ、解りました。

こうして、超シンプルだけど、ちゃんとバッファードの10パラボックスを作る。
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Z:客席のアンプまで、ケーブルを這わすけど、それも特注して作りたい
M:マジスカ… 解りました。
Z:名越君はベルデンの指定の型番があるからそれで。俺のは…まかす!
M:解りました
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ただでさえ、引き延ばせばハイ落ちするアンバランスケーブル。バッファードにする事である程度のロスは回避出来るにしても、10メートル以上のケーブル製作には注意が必要。グランドを処理しながら、専用の方向性有りケーブルを製作する。海外の大物ミュージシャンのシステムを参考に、総数26本。約120メートルのケーブルを使用した。

ところで、ライブハウスってアンプ20台以上鳴らして大丈夫?電源は… 幸い、会場となったFEVERはその消費電量に耐えた。でも、当日、音を出すまでは何も安心出来ない。位相は?グランド問題は?20台のアンプが一斉に鳴って、まともな音が出るのか?

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コーパスグラインダーズは、ジャンクバンドでノイズバンドでロックバンドだ。ハードコアとかアバンギャルド…ではなく、ジャンクでノイジーなロックバンドだ。デタラメなバンドサウンドではない、と言うのがコーパスグラインダーズ。でもデタラメっぽくヤルのが、コーパスグラインダーズ。それは似ている様で全然違う。

だからといって、出音がデタラメでは何の説得力もない。まともな音が出ているのはあたり前。その上で爆音、激音でなければならない。ノイズの時はノイズ。でも静かな音色も必要。そうで無ければ、わざわざ専用装置を作る必要はない。と言う事で、ドキドキしながらリハをスタート。音を出した瞬間、感動的な静けさ。両氏の音色もクリアー。グランドノイズも皆無。ZERO氏がファズを踏んだ瞬間、名越氏がベースサウンドに切り替えた瞬間、地獄の爆音がマーシャルから放たれた。スタッフ全員、即耳栓着用。ヤバい。イスが揺れてる。イスの上のペットボトルも揺れている。照明のお姉さんは気持ち悪そうだ。やったねZEROさん。みんな、調子悪い顔してる!

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勿論、それでライブはできる。今回のライブは「拷問音響機構」を命名されている。拷問だって、良いじゃない!の奇特なファンが来るだろう。しかしながら、来場者全員の耳にダメージを与えてもしょうがない。と言う訳で、希望の方には耳栓を販売しましょう、と言う事に。ただの耳栓じゃ、面白くないのでライブで使える?耳栓。と言う訳で当店でも取扱のCrescendoの耳栓を輸入しているKORGにコンタクトし、会場で販売する事に。担当の小泉氏がわっさわっさを耳栓を運んで、当日物販してくれた。結果、多くの皆さんの耳を守りながら、安心して(?)ライブが見れると言う事に(後にコーパスグラインダーズ側からは「あの耳栓は失敗だった。来場者が楽しそうにライブを観ていたでは無いか!」というお叱りを受けた…そんな事言ったって…)兎に角、Crescendoの耳栓が素晴らしいと言う事も証明された。うーん。良いのか悪いのか…(会場でお買い上げ頂いた皆様、ありがとうございました。是非普段のライブから着用してみて下さい)
多くの皆さんが「爆音だけどめちゃめちゃいい感じで聞けた、観れた」と言ってくれた事が嬉しかった。爆音だけど心地よい。ノイズだけど美しい。これが今回の密かなポイントだった。勿論耳栓無しでも良い音が出ていた。でもそのままでは5分と持たなかっただろう。皆さん、耳はお大事に。

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と言う訳で、サウンド的には大成功だった訳だが、コーパスグラインダーズ的には「大失敗」だったのかも知れない前代未聞の「拷問音響機構」ライブは幕を閉じた。ここにコーパスグラインダーズから声明文が上がっているのでチェックしてほしい。また、興味がある人はtwitter辺りを追いかけてみると、その日の様子が見れるだろう。いずれ、何かのフォーマットで音源か、映像が届けられるかもしれない。

とにかく、どっかの大フェスの会場よりもあの日、新代田フィーバーにはマーシャルが集結していた。来日アーティストのアンプフォールの上をいく、前代未聞の20台マーシャル(正確には20台マーシャル+2台のSUNN、1台のベースアンプ)の全てから「正しく」音がでるという異例ライブはその幕を閉じた。全てのアンプを片付けて、終了したのが11時を超えていた。未だに腰がいたい。スタッフ、関係者の皆様ありがとうございました。
次回は3年後に、マーシャルだけでなく、AMPEGも20台。全部40台で鳴らすらしい。ギャグかな?本気かな?真意は解らない。でも、もうこうなったら、是非実現して欲しい。また、何か手伝います。FEVERの酒瓶が全て割れるくらいの爆音発生装置、考えます。

この度は、バカみたいに貴重なイベントに引き込んで頂きありがとうございました。


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