ブラジリアンローズウッド、その魅力とは?

明日からアメリカ/アナハイムで世界最大規模の楽器関連展示会【NAMM SHOW】が開催されます。話題のニューモデルは勿論、これまでシークレットだった新しい情報が公開されたりと楽器関連の情報が色々と、続々とアップされる事でしょう。日本からも多くのブランドが参加しているので、彼らの製作する楽器への海外バイヤー、ミュージシャンの評判も気になるところです。もちろん間違いなく、高評価だと思います。だって日本製の楽器、素晴らしいですもの。皆さんがんばってください!

CITES MARK

そんな中、2017年1月から、ローズウッドの国際取引にて規制が始まりました。皆さんも耳にした事があるとおもいますが、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約=CITES)にてローズウッドは附属書II(絶滅のおそれのある種ではないが、その種やその種由来の材料が違法な手段で捕獲や採取、取引が行われるのを規制)に追加されました。これによりギターやピアノ、ウクレレ、ヴァイオリンは勿論、香水やアクセサリーまでが規制の対象になります。NAMM SHOWに参加される日本のブランド/メーカーの皆さんも、この対応に大変だった様ですね。この決定事項は先々まで貴重な資源を維持するためには不可欠な決定ではありますが、これまでの様に個人間にて海外からのギターの売り買い等も簡単には行えません。勿論、メーカー間の輸出入でも同じ(というか、もっと大変になります)しかし違法なルートにて入手されたローズウッドでなければ、取引ができなくなる訳ではありません。ご安心を。


ローズウッドは附属書IIですが、ブラジリアンローズウッドは附属書Iに属されます。附属書Iは【絶滅のおそれのある種で、取引により影響を受ける種が掲げられる。そのため附属書Iに掲げられた種は商業目的の国際取引が制限される】ものです。よって輸入出の際にはさらに慎重に行う必要があります。皆さんも今後、PRSやマーティンと言ったインポートギターブランドのブラジリアンローズウッドを指板やボディーサイド/バックに使用した物を購入する際はCITES書類が附属されているか確認しましょう。勿論、日本への正規輸入品であればCITESは間違いなく附属(又は申請で受け取り)が可能です。こういったケアは正規品を購入するメリットでもあります。また、もし貴方が海外でブラジリアンやローズウッド指板(勿論ボディーも)のギターを購入した場合、出国/入国の際に今後必ずCITES書類の提出が義務づけられます。これはワシントン条約で決定された事項なので「知らなかった」では済まされません。もしも書類が無い場合は税関で没収と言う事になります(没収は実話です)お気をつけ下さい。勿論、個人使用で国外に持ち出し/持ち込む場合は、その旨を事前に申請すれば問題はありませんが、書類無しでは商品をゲートに通してくれません。勿論、日本国内でブラジリアンローズウッドの楽器を購入、配送等をおこなう際にはCITES書類は必要ありません。


さて、そんな貴重な材、いわゆるトーンウッドを用いて製作されたギターがフーチーズにあります。ブラジリアンローズウッドを指板材に採用したギターとベース、クルーズのヴィンテージラインシリーズです。
これらはブラジリアンローズウッドが附属書Iに決定される直前あたりということなので、1990年初頭に入手され、長期間日本で自然乾燥状態にて保管されました。勿論、ブラジリアンローズウッドの伐採自体は1980年代に行われているので、実際にはもっと永い期間シーズニングされたと言う事になります。その後、2012年頃に最初のプロダクトで採用されました。

この貴重な指板材はローズウッド(インドローズ)に比べると、より「澄んだ音色」を生みます。硬質でありながら深みと倍音を持ち合わせます。例えばマダガスカルローズウッドは中高域にピークを感じますが、ブラジリアンローズウッドはさらに高域と低域に伸びがあります。これはアコギのボディーなどではさらに如実に感じますね。そして倍音。クリーンでも存分に感じますが、オーヴァードライブさせた際の心地よさは格別。まさに「貴重な音色」を生む指板、です。クルーズのLED-1959(LED PREMIUM/LED PLUS/LED SUPREMEも同様。LEDシリーズではLED CUSTOMのみ、エボニー指板となります)はこのブラジリアンローズウッドを指板に採用しています。所謂「枯れた音色」を生み出しながら「豊潤な倍音」も感じさせてくれる素晴らしい材です。

LED-1959 商品ページ

同じく、ヴィンテージラインのST-63も同じくブラジリアンローズウッドを指板に採用しています。
ST-63 商品ページ
これは非常に贅沢なラウンド張り仕様。ラウンド貼りが何故贅沢かと言うと、ブラジリアンローズウッド材をラウンドカーブにあわせて削ってしまうから…です。スラブ張りであれば指板面だけがラウンドカーブにあわせて削られますが、ラウンド張りの場合は指板裏側も削る必要があるからです。うーん、勿体ない気もしますが…求める音色においては仕方の無い事ですね。しかしながら、沢山は使用できないので当面は在庫のみで生産予定がありません!LEDシリーズも同じく、在庫が無くなれば終了です。

さらにベースでは5弦ベースにブラジリアンローズウッド指板を採用したモデルがあります。

JB-5 MIFJ LTD 商品ページ

クルーズJB-5 MIFJ LTD ブラジリアンローズはベースネックが製作できる指板サイズのブラジリアンローズウッド材を12本分集めた超貴重なシリーズです。定評のクルーズ5弦ベースにその指板を採用した文字通りの限定生産モデルとなります。勿論、貴重な指板材だけでなく、楽器としてのバランス、完成度無くして「良いベース」とは言えません。クルーズの5弦ベースは5弦(LOW-B)の音像と鳴り感が素晴らしい。さらに5弦モデルならではの倍音感、そして全体のテンションバランスが素晴らしい。センシティヴでありながら奥行きも感じるこの存在感は他にはない心地よさを秘めています。

勿論、現在でもこれら楽器に採用されたものと同レベルのブラジリアン材の入手は続けておりますが、上記した規制の関係だけでなく、既に伐採が禁止された貴重材です。お金を出せば手に入る、と言う様な簡単な物ではないのです。本当に、100枚あるブラジリアンローズウッド材の中から、より選られた10枚程度のみを(アコギコージと社長が)厳選しています。そして貴重な材を惜しみなく採用するだけでなく、その楽器としての完成度にも特筆すべきものがあります。

あえてオリジナルヴィンテージと同じ製法(例えば指板の貼り方など…)に拘らず、現代的な製造工程にアップデートされた点も多々あります。また、プレイアビリティーにもヴィンテージを追従しない、クルーズならではのこだわりがあります。このヴィンテージラインシリーズは「ヴィンテージ楽器を今使うミュージシャン達が求める仕様にモディファイした様な」手法が随所に活かされています。これは長年ミュージシャンと向かい合ってきたクルーズの吉岡代表が持つノウハウやアイディアによりデザインされています。それ故に、ヴィンテージ楽器を使用した事が無い皆さんでも、その音を手に入れながら、プレイアビリティー(弾き易さやバランス)はまさに「今の楽器」だと言えます。吉岡代表云く「これはニセモノなんだよ。ヴィンテージの再現を目的とした所謂レプリカ楽器じゃない。でも、サウンドはヴィンテージギターフリークが納得できるものになっているだからヴィンテージのニセモノ」との事。ニセモノの捉え方は様々だと思いますが、その本質は?実際に楽器に触れれば、ご理解頂ける事でしょう。


勿論、これらのクルーズ・ヴィンテージラインギターには「本物を超えた」と評価されるK&Tピックアップを搭載しています。K&Tはヴィンテージのスペックを余す事無く再現しながら、さらに高野氏のノウハウにより「ヴィンテージピックアップの弱点」を克服。さらに安定し、現代的な環境でもその魅力を発揮できる仕上りになっています。すなわち「本物の音色+現代的な耐久性=モダンヴィンテージ」なワケです。50年前のレシピをおそのまま再現するだけで、音色まで再現できるはずは無く… 問題は「どういう製法でつくればあの音になる」というプロセスを理解して製造できるか否か、では無いでしょうか?K&Tピックアップに関してはさらにニュースもありますので、次回ご紹介しましょう。

と言う訳で、NAMM情報もさる事ながら…気になる楽器はフーチーズにあります。
どうぞ、お見逃しなく。


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