
with
K&T Austin Legend Pickups
[新しいマテリアルや斬新なアイディアを取込んだギター]
クルーズマニアックサウンドの基本ポリシーとは一見対照的な存在にあるヴィンテージラインシリーズ。
しかしながら誕生以来、約50年という歴史の中で不動の存在であるエレクトリックギター、とりわけエレキ創成期のマスターピースと呼ぶに相応しい楽器や、その時代時代において、新しい音楽を生み出して来た楽器の存在は、無視する事ができません。クルーズがあえて避けてきた、マスターピースの復刻と言う行為、それを「今」行うという事も、また「クルーズらしさ」の現れかもしれません。
FINISH
VINTAGE LINEのST/TLモデルに採用されているのが「CLOUDY LAQUER FINISH/クラウディーラッカーフィニッシュ」です。この塗装方法によりオリジナルヴィンテージの様な仕上げのニュアンスが得られると共に、通常よりも薄くラッカーを吹くことができます。さらに弾き込んでゆく事で味わい深い雰囲気を醸し出す事でしょう。"TEXAS FLOOD"及び"AUSTIN LEGEND" はレギュラーモデルが3TSBとなり、その他はカスタムカラーとなります。
ALDER ONEPIECE BODY
ボディーにはワンピースアルダーを採用。
軽いボディーと重いボディーでは音質にも驚く程影響が出ますので一概にどちらが良いとは言い切れませんが、クルーズヴィンテージラインのボデイーはどれも程良い重量を持っています。アッシュの様な押し出しの強い感じでは無く、中低域がリッチ。アンプラグドでもプラグインしてもそのキャラクターは特別。弾き込んでゆくとボディーが良く鳴ってきます。その鳴りの山を越え、少し落ちつく辺りまできちんと弾き込むと、ワンピースボディーの素晴らしさを引出す事が出来るでしょう。また、ネックボディーのジョイント部はヴィンテージのそれとは異なり、非常にタイトにセットされています。この辺りもトーンに関わる重要なポイントで、ギタービルダーのこだわりが見える部分でもあります。
FINGER BOARD
指板にはプレミアムなハカランダ(ブラジリアンローズウッド)を採用しています。
現在ハカランダはワシントン条約で新たに伐採する事が禁じられており、輸出/輸入にはCITESという書類や厳重な手続きが必要となっています。
このハカランダは10年以上前にクルーズがストックした木材で、そのさらに10年前から、海外で保管されていた物です。つまり、強制乾燥させた物ではなく、永い時間をかけて自然にシーズニングされた物であります。
トーンウッドと呼ばれるこの材は非常に音楽的な響きを持ち、タッピング(指で叩いて音を聴く)してみると透き通る様な高域から低域までがしっかりと感じられます。勿論、ストックが無くなってしまったら、その時点で終わり。永久的に使用できる材ではありません。
さらにこのTEXAS LEGENDでは62年まで続く所謂SLAB張りのハカランダ指板が、ラウンド張りに変わる62年中期から63年中期にのみ存在する、その後のラウンド指板モデルに比べて厚みのある指板を再現し、材質もハカランダ材が使用されています。
もしも故SRVの様に、通常のラウンド指板にJ/D社の6100フレットを打ち込むと、様々な問題が生じるハズです。さらに、ラウンド指板よりもSLAB指板が貴重性があり、珍重されているのは事実ですが、音の問題はまた別です。特に、このAustin Legendピックアップとのコンビネーションでは、その違いが明らかです。(勿論、通常のローズとハカランダ(ブラジリアン)ではその音にも大きな違いがあります。
ナット材には「無脱脂/無漂白」の牛骨が使用されています。ナットの音は意識しなくてもかなりの違いを感じられるハズです。やはり高域の伸びが良く、通常のクル−ズ製品とは若干異なる溝切りがされています。この辺りもヴィンテージラインとその他との違いです。
ネックフィニッシュはラッカーにてサテンフィニッシュが施されており、手に取った瞬間から心地よいフィット感が得られます。
また、指板サイドを少しだけ落とし、フレットの両サイドにもプレイに支障が無い様に美しい面取りで仕上げられています。こう言った細かな仕事がプレイヤーのフィーリングを左右するポイントでもあります。
PICK UP & ASSEMBLY
基本仕様は1ヴォリューム、フロントピックアップトーン、センターピックアップトーン、そして5ウェイスイッチとなります。
ポット類はCTSポット、スイッチはCRL、ジャックにはSWITCH CRAFTを採用しています。コンデンサーにはN.O.Sのセラミックを搭載しております。トーンやヴォリュームをコントロールした際に音がこもってしまったり音量が下がってしまう事もありません。
ブルースギタリストをはじめ、多くのギターレジェンド達は全てのツマミをフル10で使用する事は少なかったはずです。なぜならヴィンテージの楽器はトーンを少し絞る、ヴォリュームを少し動かす事で、全ての音色をコントロールしていたからです。豊富なアウトボード(エフェクタ)やアンプも少ない時代、手に入る物だけで最高の音色を引出そうとした偉大なる先人達と同様、このギターは細かなコントロールが出音にしっかり影響する様に製作されています。良いアンプにプラグインして少しだけコントロールを操作する事で、その事実は容易に理解できる事でしょう
さらに、このモデルの大きなキャラクターを決定づけているのが、K&TピックアップのAustin Legend。あるテキサスブルースのレジェンドが使用したNo.1に搭載されていたピックアップ。
そのピックアップはある人物の手によりモディファイされており、ヴィンテージの音を修復する、と言うよりは、求める音に対しての欲求から生まれた新しい音でした。
その音の謎は、そのモディファイを行った人物だけが知るレシピで製作されており、その人物が亡くなってしまった現在そのスペックはおろか、そのピックアップが存在した事実を知る者すら多くは存在しませんでした。K&Tの高野氏は、そのレシピを再現した訳ではありません。
しかし、その音の特性とニュアンスを限りなくリアルに再現しています。多くを言葉で説明する事は難しいので、是非この音は実際に体験して頂きたい。想像を超えた音色に出会えると思います。
|